戸惑うこともあるだろう。新しいビブショーツを履くと、きつく感じる。ストラップは張り詰めている。脚部は圧迫される。直立した姿勢で調整し、迷いが生じる。しかしペダルにクリップインし、ポジションに身を沈めると、突然すべてが理にかなうのだ。
これがル・コルが提唱するフィット哲学の実践である。
例えばプロビブショーツは、アグレッシブなポジションを想定した関節構造カットで成形されている。自転車から降りて吊るしたり着用したりすると、従来のショーツのように自然にフィットしない。しかしドロップハンドルを握って走り出すと、テーラード形状が第二の皮膚のように身体に密着。高強度走行時でもパッドを安定させ、空気抵抗を最小限に抑える。
だから立ち上がった時にビブショーツが少し窮屈に感じても? それは設計上の意図だ。
プレミアムビブショーツは静止時ではなく、動きの中でフィットするよう作られている。